放射線科Radiology department
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CT画像処理について
マルチスライスCTの特徴
- より早く、より細かく、より広範囲に撮像可能
- 3次元ボリュームデータが得られる
- 大量の細かな画像をもとに任意の断面や3次元画像が作成可能
撮像は0.5mmと非常に細かなスライス厚を用い、広い範囲の検査であっても7秒前後の短時間で検査が可能です。エックス線CTでは大量のX線被曝が問題となりますが、当院では検査部位・年齢・必要度などを考慮し、常に最小限の被曝条件になるよう条件設定を行っています。
また事前に個別の症例に応じた検査方法を検討し検査を行います。
一回の検査で1,000枚以上の画像が得られることも多く、モニター診断や3D画像作成して診断します。
当院におけるCT検査の特徴
当院でのCT検査ではどの部位の検査においても、横断・冠状断・矢状断の3方向での診断を行っており、横断像のみで診断する場合と比べ、より詳細かつ正確な診断を行います。
また、患者様ひとりひとりの状態を考慮して内臓脂肪や骨に注目した画像処理なども追加することによって、一度の検査で様々な項目を観察することが可能です。
実際の症例
左上より、右乳がん、肺動静脈流、左肋骨骨折、右足首骨折、声帯ポリープ、胃がん、胆石症、右上顎骨折
MRI特殊検査画像一例
1. 頭部MRA
頭部MRI検査の追加検査として行います。血液の流入効果を利用して画像化するため造影剤の必要はありません。 撮像は3D-TOF(3slab)法を用いています。 処理画像だけでなく元画像もデータ化しています。頚部MRAも同様に造影剤使用なしで検査可能です。
2. 下肢MRA
主に閉塞性動脈硬化症の検査に利用します。10分程度の検査で造影剤を使用せずに、腹部~下肢までの広範囲の血管を詳細に描出することが可能です。
3. 全身DWI
PETや骨シンチグラフィティと同様の画像を被ばく無しで得る事ができ、10分程度の時間で全身のがんや出血、炎症、血栓などが描出できます。
4. MRCP
膵胆管造影に相当する画像を被ばく無しで造影剤を使用せず得ることができます。 呼吸の動きに合わせて撮像することで、息止めの必要が無く当院においては全て自由呼吸下での検査を行っています。
5. Composing
従来は上部脊椎と下部脊椎を別々の画像で観察していましたが、新しい装置になったことで1枚の画像に合成して観察できるので全脊椎の配列(アライメント)を容易に把握できます。
6. SEMAC(金属アーチファクト低減)
人工関節や固定器具自体は無信号になりますが、金属部周囲の歪みによるアーチファクトを大幅に低減し、評価し易い画像を確保することが出来ます。
7. 脳ドックMRI
ドック検査のオプションとして施行しています。T1w矢状断、T1w横断、T2w横断、FLAIR横断、頭部MRAに頚部MRA、頚椎MRIを追加しています。得られたデータはパソコンで見ることが出来るよう、簡易Viewerを添付してCDを作成しお渡しいたします。
MRI検査の注意点
1)安全確認
- 心臓ペースメーカー・脳室シャント・人工内耳
上記に該当される方はMRI検査を行うことが出来ません。 - 脳動脈瘤クリップ・心臓人工弁の方は安全にMRI検査を行うことが可能である旨の
安全証明書を提出いただいた場合のみ検査可能です。 - 磁石で固定されている義歯の場合、MRI検査で壊れてしまう可能性がありますので、壊れない物か確認したうえでお越し下さい。
- 上記①~③以外の体内の金属類等に関しては確認のうえ依頼書や問診票に記載してください。
2)MRI造影検査について
MRI造影検査では、クレアチニン値が高い場合にはNSF(腎性全身性線維症)の副作用を避けるため、造影剤を使用できない場合があります。
また透析を受けられている方は造影剤を使用してのMRI検査を受ける事が出来ません。
3)腹部検査について
- 腹部~骨盤部検査の場合、検査前絶食でお願いいたします。
- MRCP検査前は絶飲、絶食でお願いいたします。
- 前立腺・膀胱の評価が必要な場合は検査前1~2時間前より排尿を控え、蓄尿状態で検査を行います。
4)四肢関節の検査について
上肢関節(肩・肘・手関節)、下肢関節(膝・足関節)の撮影はコイルを片側に装着するため、患側(片側)のみの検査となります。